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北海道大学 電子科学研究所 光電子ナノ材料研究分野 西井研究室

Japanese

研究内容RESEARCH

1. 光機能の発現

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(1)ナノインプリント法による光学素子の開発

ナノインプリント法とは、微細な構造を形成したモールドを材料に精密に転写する技術です。生産性が高く低コスト化が見込めることから、すでに多くの研究が報告されていますが、その大半がプラスチック材料をベースにしています。私たちの研究室では、耐久性に優れたガラス材料の表面に形成し、新たな光学機能の発現を目指しています。

・ナノモールド作製技術
耐熱性や機械的強度に優れたモールド材料への微細加工ノウハウを構築しています。電子線描画、干渉露光、レーザー描画などの手法を駆使して、微細なレジストパターンを形成し、その後、ドライエッチングによってパターンをモールド表面に転写します。


・ナノインプリント技術
高温インプリント装置を用いて、真空あるいは窒素雰囲気下で微細構造をガラス表面にします。また、紫外線インプリントの場合は、基板上に塗布した紫外線硬化樹脂に石英モールドを押しつけ、一定時間のUV照射後に離型します。


・これまでに開発した光学素子
このようなプロセスを駆使して、企業との共同研究によって、反射防止レンズ、屈折回折複合レンズ、回折格子などを開発しました。


・電圧印加インプリント
微細構造モールドに電圧を印加しながらインプリントすることによって、従来のような高温、高圧力を必要としない微細構造の形成が可能になりました。さらに、湿式エッチングを併用することにより、電圧印加によって形成されたガラス中の アルカリ濃度分布に応じた高アスペクト比化が可能となり、光デバイスなどへの応用が期待されます。


(2)プラズモン光学素子の開発

・蛍光イメージング
わずかな屈折率変化や微弱な蛍光を検出する手段として金や銀などの金属ナノ粒子を用いた局在プラズモンを使う方法と、金属コートしたプリズムを用いた伝搬型プラズモンを使う方法が知られています。蛍光試薬で標識された細胞やタンパク質を、大面積で多点検出するシステムを構築するには伝搬プラズモン型の方が有利ですが、特殊な光学系を構築する必要があります。
私たちは産業技術総合研究所と共同で、市販の顕微鏡で微弱な蛍光を検出できる回折格子型プラズモン増強チップを開発しました。金属には銀を用いました。このチップ上に蛍光標識された細胞を置いて顕微鏡で観察すると、回折格子が存在しないチップに比べて数十倍明るい蛍光イメージングが可能になりました。


・水素センシング
これまでに、パラジウムのプラズモン共鳴を用いた水素センシングに関する研究が多く報告されています。しかしながら、金や銀に比べるとプラズモンディップ(励起光が金属に結合した際の反射率の低下)は非常にブロードあるいは検出できない場合が多く、水素センシング感度とプラズモン共鳴の相関については、必ずしも明確ではありませんでした。
私たちは、厳密結合波解析(RCWA)を用いた計算によって求めた格子パラメーターをもとに試作したパラジウム回折格子において、明確なプラズモンディップが現れることを実証しました。しかしながら、得られた格子に励起光(波長850nm)を入射し、格子表面の水素濃度と反射パワーの関係を調べたところ、プラズモンが励起されるp-偏光だけでなく、s-偏光でも同程度の反射率変化を示すことがわかりました。現在、プラズモン共鳴とは無関係な特性が表れる原因について、詳しい検討をしています。


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