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北海道大学 電子科学研究所 光電子ナノ材料研究分野 西井研究室

Japanese

研究内容RESEARCH

2. イオンの制御

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(1)コロナ放電処理によるガラス表面改質

情報家電、医療、エネルギー分野で用いられるガラスのさらなる高機能化のためには、バルク組成だけでなく、ガラスの表面状態の制御が重要です。これまでに、イオン交換、イオン注入、各種コーティングなどの表面修飾法が知られていますが、本研究では、「コロナ放電」という現象を利用して、ガラス内部に含まれるアルカリイオンの存在状態を外部から制御することで、新たな機能や特性の発現に取り組んでいます。
コロナ放電とは、数kVの高電圧を印加した針やワイヤー表面での気体の絶縁破壊によって起こる現象です。その近傍のアース上に物質を置くと、気体中の水分や水素から生成したプロトンが、真空や触媒を用いることなく物質中に侵入します。私たちは、アルカリ含有ガラスに対して様々な条件下でコロナ放電処理を行い、ガラス表面状態の変化について詳しく調べました。その結果、以下の様なことが明らかになりました。
1) ガラス表面のアルカリがプロトンに置換されアース側へ析出
2) 放電雰囲気を空気から水素にすると置換効率が数倍に向上
3) テンプレートを介した放電処理とエッチングで微細構造を形成可能
4) ガラス同士を重ねて放電処理すると上層から下層のガラスへアルカリが移動

このような基盤技術は、加工が困難なソーダライムガラス表面への機能付与に用いられる可能性があります。


(2)金属触媒電極を用いたガラス中のアルカリ−プロトン置換

パラジウムを成膜したガラスにDC電圧(数V)を印加し、ガラスにプロトンを導入するプロセスの検討をしています(大阪大学小俣研究室との共同研究)。
先行研究で大きなプロトンの熱拡散係数が報告されたナトリウム含有リン酸塩について、95%以上のナトリウムをプロトンに置換できることを実証しました。得られた材料の直流分極特性を評価したところ、350℃の水素雰囲気中で、安定したプロトン伝導が確認されました。今後、中温域(200℃〜500℃)燃料電池の固体電解質への応用を目指して、更なる特性向上を目指します。


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