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北海道大学 電子科学研究所 光電子ナノ材料研究分野 西井研究室

Japanese

研究内容RESEARCH

3. 電子スピンの制御

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(1)強磁性トンネル接合における磁気インピーダンス特性

強磁性層/絶縁層/強磁性層から構成される強磁性トンネル接合は、室温にて巨大な磁気抵抗効果(=磁場により抵抗が大きく変化する現象)を示すことから世界中で大きな注目を集めています。その一方で、強磁性トンネル接合における磁気インピーダンス効果(=磁場によりインピーダンスが変化する現象)に関する報告例はあまりありません。我々は、強磁性トンネル接合の交流インピーダンス特性に着目し、その磁気インピーダンス効果について調べています。
実際に、Co/Al-oxide/Co強磁性トンネル接合を作製し、インピーダンス特性を調べた結果、磁場によりインピーダンスの実部だけでなく、インピーダンスの虚部も変化することを明らかにしました。このような磁気インピーダンス効果は、将来の高周波用高感度磁気センサー、ハードディスクドライブ(HDD)の磁気ヘッド、その他新しい磁気デバイスに応用が可能です。


(2)強磁性ナノスケール接合の作製とその構造・電気伝導・磁気特性

金属、磁性体、分子ナノスケール接合では、バリスティック伝導によりコンダクタンスが量子化されたり、電気的なスイッチング効果が生じたり、巨大磁気抵抗効果が生じたり、さまざまな興味深い現象が観測されています。このようなナノスケール接合を作製する手法として、リソグラフィーを用いる方法、ブレイクジャンクション法、ナノインデンテーション法等、種々の方法が提案されています。
このような中、最近、我々は磁性薄膜のエッジを利用してナノスケール接合を作製する新しい手法を提案しました。この方法では、磁性薄膜のエッジとエッジが互いに直交しているため、磁性薄膜の膜厚dによって接合面積S(=d×d)が決まります。従って、例えば、磁性薄膜の膜厚を1〜20 nmとすると、接合面積が1×1〜20×20 nm2となり、超微小ナノスケール接合の作製が可能となります。実際にこの作製手法を用いて、様々なナノスケール接合を作製した結果、Ni/Niナノ接合でのオーミック挙動、Ni/NiO/Niナノ接合でのナノスケールトンネル現象、Ni/P3HT:PCBM/Niナノ接合での分子内バリスティック伝導等の観測に成功してきました(北海道大学石橋・近藤研究室、大阪大学弘津研究室、九州工業大学石丸研究室との共同研究)。本素子では今後も更なる新現象の発見が期待できます。これにより、次世代のスイッチングデバイスやBeyond CMOS デバイスの創製を目指します。


(3)パルスレーザー照射した磁性合金材料の表面内部構造・磁気特性

磁性体で構成されているナノドット、ストライプ、ワイヤー、ナノチューブ等の磁気ナノ構造では、保磁力が増大したり、電流により磁壁が動いたりする等、様々な興味深い現象が見出されています。このような磁気ナノ構造を作製する手法として、リソグラフィーを用いる方法、シャドーマスク法、イオン照射法等、種々の方法が提案されています。
このような中、最近、我々はFeAl合金にナノ秒パルスレーザーを照射すると、その表面形態が変化すると同時に、常磁性/強磁性転移を示すことを明らかにしました(北海道大学渡辺研究室、東北大学吉見研究室との共同研究)。表面形態に関しては、ナノストライプ構造、ナノネットワーク構造、ナノドットパターン等の興味深い構造が得られます。そして、この構造相転移に伴い、磁気特性は常磁性から強磁性に転移します。これらの結果は、光照射により、表面・内部構造のみならず、磁気特性も制御できることを示しています。現在、我々は同手法を用いて、従来にない新しいタイプのナノ構造磁性材料探索研究を推進しております。また、本系において、スピントランスポートも調べ、横断的新境地研究分野の開拓を目指しています。


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